スタッフ

榎 一郎 (Ichiro ENOKI)

Email enoki(@math.sci.osaka-u.ac.jp をつけてください)
研究分野
Research
複素微分幾何
Complex differential geometry
キーワード
Keywords
複素多様体、ケーラー多様体
Complex manifold, Kähler manifold
居室
Office
理学部 B318(豊中キャンパス)
Science building B-318 (Toyonaka campus)
URL  

複素多様体は、局所的には、複素ユークリッド空間の開集合とその上の正則関数(およびそれらから定義されるもの)の世界です。正則関数は、ある開集合上で一致していれば、それを含む定義域の連結成分で一致してしまいます。複素多様体も、正則関数のこのような性質を継承していて、ある意味で硬いわけです。しかし、このかたさは、金属のような無機的な硬さではなく、むしろ、触れてみて暖かみがあったり。木目や節があったりする竹とか木の持つ質感と共通のものがあるように思えます。複素関数論で習った解析接続も、植物が育っていく様子に似ていますよね。正則関数全部を考えるかわりに、多項式だけを考えても一つの世界をなします。(複素)代数多様体の世界です。これは、複素多様体全体のなかでも豊穣なところです。代数的に定義されるので、代数的な手法が有力ですが、例えば、代数学の基本定理に対し、関数論による簡明な証明があるように、多変数関数論、微分幾何による(代数的でないという意味で)超越的な方法も強力です。この二つの手法の鬩ぎあいが、複素多様体、特に複素代数多様体の研究の発展の原動力の一つだったと思います。複素多様体全体を地球とすると、代数多様体全体が大陸、その境界が大陸棚となるのでしょうか。私が、複素多様体の研究を志したのは、複素多様体全体のなかで代数多様体の特徴付けをあたえる小平の埋め込み定理にふれたからなのですが、実際に、研究を始めたのは、北極か日本海溝、といった感じのところからでした。現在は、超越的な手法による(主に)代数多様体の研究に興味の中心があります。(上陸したわけなのですが、アマゾンの密林のようです。)