スタッフ

小木曽 啓示 (Keiji OGUISO)

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研究分野
Research
代数幾何学
Algebraic geometry
キーワード
Keywords
K3曲面、カラビ-ヤウ多様体、コンパクト超ケーラー多様体、ファイバー空間、自己同型群
K3 surface, Calabi-Yau manifold, compact hyperkaehler manifold, fiber space, automorphism
居室
Office
理学部 B402(豊中キャンパス)
Science building B-402 (Toyonaka campus)
URL  

専門は代数幾何学です。特に、K3曲面・楕円曲面、及びそれらの高次元版である広義カラビ・ヤウ多様体(標準因子が数値的に自明であるようなコンパクトケーラー多様体)・ファイバー空間の研究をしています。これらの多様体は、代数幾何学において重要な対象であるだけではなく、周期写像や対称性、(ある場合には)自然な葉層構造等を媒介に、格子論を含む数論、群論、複素幾何学、複素力学系といった数学の他分野とも自然な形で関りあう豊かな対象です。その関わりの中で調和のとれた美しい性質や予期しなかった意外な性質を発見できたときが、研究していて最も嬉しく興奮する時です。そんなことはあっても1年に数回しかありませんが、それでもそんな興奮を(今のところ他の対象よりも)多く自分に与えてくれるこれらの対象が好きです。代数幾何学的記述 (分類)は完成しているといえるK3曲面・楕円曲面に限ってみても、視点を変えて眺めてみると深く美しい性質が隠されていることがわかります。例えば、向井先生によるK3曲面の有限シンプレクティック自己同型群と散在型単純群(次数23のマシュウ群)との不思議な関係、マックマーレン氏によるジーゲル円板を有する自己同型をもったK3曲面の発見、塩田先生による楕円曲面の正則切断全体に対するモーデルヴェイユ格子の理論の発見と球面充満問題への応用等はその顕著な例と言えるでしょう。ここまでのインパクトはありませんが、射影的K3曲面に非自明な射影的小変形を施すとその中には常に自己同型群が無限群であるK3曲面が必ず稠密に現れることの発見、もっとも基本的な楕円曲面である有理楕円曲面に付随するモーデル・ヴェイユ格子の明示的記述(塩田先生との共同研究)は、自分の研究の中では誇れる研究です。ところで、(広義カラビ・ヤウ多様体の中でもK3曲面の最も忠実な高次元化である)コンパクト超ケーラー多様体に付随するファイバー空間は、ラグランジアンファイブレーションと呼ばれる特別なファイブレーションになります(松下大介)。その一般ファイバーは射影的複素トーラス(アーベル多様体)であり、また大域的有理型切断をもつとき、考えているコンパクト超ケーラー多様体は射影多様体になります。ここ2年位で、ラグランジアンファイブレーションの複素解析的な意味での一般特異ファイバーの構造の決定(ホワン氏との共同研究)、スキームの意味での一般ファイバーのピカール数の決定とモーデル・ヴェイユ群の階数公式といった、ファイバー空間構造をもつコンパクト超ケーラー多様体を調べるための基本的な道具を確立することができました。今は、新たな視点の探求とともに、これらの応用可能性も探っています。