宮地 秀樹(Hideki Miyachi)
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- 研究興味
- タイヒミュラー空間論(有限次元・無限次元)
- (広い意味での)双曲幾何学・双曲多様体論
- タイヒミュラー空間を用いた位相幾何学・双曲幾何学の研究
- 位相幾何学・双曲幾何学を用いたタイヒミュラー空間論の研究
- その他,それらを用いた他分野への応用
- 解説
- タイヒミュラー空間論では,その幾何学的性質,
特に複素解析的構造から導かれる幾何学的性質に興味を持って勉強・研究しています.
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私は,タイヒミュラー空間の構造および,その種々のコンパクト化に興味を持っています.
タイヒミュラー空間のコンパクト化を考えるということは,
双曲曲面(リーマン面)の退化(変形空間での発散)から定まる解析的・幾何学的量の振る舞いを調べることが必要になります.
私は,それらの「行き着く先」に興味があります.
- 無限次元タイヒミュラー空間は,
単葉関数論・擬等角写像論の研究には欠かせない(数学的)舞台です.
このような説明では(位相)幾何学との関連は見えにくいですが,
例えば,コンパクトな曲面の部分曲面は境界付きの曲面になるので,
そのタイヒミュラー空間は無限次元になります.
一般には,それの有限次元化(縮約タイヒミュラー空間)を用いますが,
複素解析的構造の関連を見る立場からは,
無限次元の変形空間を見ることが必要だと考えています.
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有限次元の場合と異なり,無限次元タイヒミュラー空間の面白いところは,
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幾何学的感覚からの欲しい結果
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有限次元タイヒミュラー空間からの類似
が一般には成り立たないことです.
つまり,つい油断して当たり前だと思っていると,
その筋のプロから,
即座に反例もしくは(埋まるかもしれない)論理的なギャップを指摘されますので要注意です.
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といっても,有限次元が面白くないという意味ではなく,
むしろ面白いのです.両者は比較できません.
つまり,コンパクトな曲面という非常に基本的な数学的対象の変形空間なので,
様々な分野と関連します.
有限次元タイヒミュラー空間は非常に興味深い研究対象です.
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双曲幾何学では,特にクライン群の変形論に興味を持っています.
特に,クライン群の退化およびそれにまつわる幾何学的量の振る舞いに興味を持って勉強・研究しています.
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クライン群論では様々な幾何学的対象が現れ,
それらがクライン群が変形されるに従い形を変えます.
例えば,「極限集合」と呼ばれるフラクタル集合(つまりグチャグチャな集合)がたくさん現れます.
面白いことに,それら一見よくわからないものが,
クライン群の変形に伴って規則正しく変形されているように見えます.
私は,それらの規則正しく変形されているように思われる対象の「行き着く先」に興味があります.
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双曲多様体の構造を調べるためには,
タイヒミュラー空間の「離散化」である曲線複体など,
曲面上から位相から定まる空間を理解する必要があります.
それらについても興味を持っています.
- まとめ
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有限次元タイヒミュラー空間は,
3次元双曲多様体の構造の研究の際には強力な(数学的)道具になります.
逆に,3次元双曲多様体(クライン群)の変形の研究は,
有限次元タイヒミュラー空間の構造の研究の際には重要になります.
さらに,
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双曲曲面(リーマン面)の退化
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双曲多様体・クライン群の退化
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曲面上の種々の幾何構造の退化
などは相互に関連します.
私はその相互関係から現れる『疑問』を,基本的な研究の指針・指標としています.
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このように書くと,無限次元タイヒミュラー空間が仲間はずれのように見えますが,
そうではないと信じています.
つまり,
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上記の研究の指針に従って勉強・研究しているうちに,
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無限次元のタイヒミュラー空間(解析的有限でないリーマン面の変形)を用いたほうが理解しやすいのではないかと思われる状況
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無限次元のタイヒミュラー空間(解析的有限でないリーマン面の変形)で考えたらどうなるのだろうという状況
が出てきてしまった.
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無限次元のタイヒミュラー空間が勉強できる,
と想像しただけでワクワクしてしまった.
実は,(今から考えるとそれは誤解だったのだけど)当初,
無限次元のタイヒミュラー空間の研究から「一見さんはお断り」という雰囲気を私は感じていたので,
研究との関連がないととてもじゃないけど手を出せなかった.
つまり,指をくわえて眺めているだけだった.
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あれ?やってみると意外と楽しいぞ.な〜んだ,なんとなくわかるじゃないか.
という訳です.
このようなことですので,
心の奥底では上記の研究と関連しています.
- 予備知識
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タイヒミュラー空間とは,
双曲曲面(リーマン面)とその上の標識と呼ばれる位相的データ(基本群の生成元の同値類)
の変形空間のことです.
ここで言う「変形」は擬等角変形と呼ばれる変形で,
いわゆるホモトピーよりは一般には強い変形を考えています.
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ホモトピーを上に書きましたが,
タイヒミュラー空間を用いて変形を解析する際には,
変形される対象のすべては同じホモトピー型を持ちます.
つまり,変形されるものの間に同相写像があることは定義より自明です.
従って,「変形されるか」を問題にするのではなく,
「どのように変形されるか」が問題になります.
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実際に,上記の擬等角変形では「どの程度変形しなければならないか」という「変形の複雑さ」を測る事ができます
(その複雑さを表す量が,いわゆるタイヒミュラー距離と言われるものです).
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一般によく知られる曲面の変形空間に
モジュライ空間というのがあります.
モジュライ空間は曲面上の複素構造の変形空間です.
タイヒミュラー空間では複素構造に位相的データを加味した変形を考えるので,
モジュライ空間よりも強い同値類を考えていることになります.
実際,タイヒミュラー空間はモジュライ空間の被覆空間になります.
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では,退化するもしくは変形が発散することを考えるというのはどういう事かというと,
変形をし続けてその「行き着く先」にはどのような対象が出てくるのかを考えるという事です.
もちろん,面がメチャクチャに潰れる状況を一般に考えるのですが,
ここでは位相的データも考えていますので,
面はきれいなままでも位相的データが複雑になればタイヒミュラー空間では発散してしまいます.
実際にそのような状況も退化していると理解します.
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