情報科学研究科へ進学を希望する人へ

ここでは、情報科学研究科情報基礎数学専攻への進学を希望される方、特に私を指導教官にしたいと考えている方へ参考となるかもしれない話を書きます。

試験について

情報基礎数学専攻の入試は例年8月初旬に行われることが多いようです。年によって変動がありますので、詳細は情報基礎数学専攻のページなどを必ず確認して下さい。3回生のかたで飛び級(特別選抜)を希望される方は、6月に事前審査を受ける必要があります(予定)ので注意してください。

昨年度の入試問題(数学)は過去の入試問題のページを参照。

院試について細かいことはここで書けませんが、簡単な注意を。過去の入試問題を見ればわかるように、基本的な数学の問題を 問うことになっており、理工系大学卒業見込みの学生であれば解けると判断しています。
あまり公開されることが少ない、口頭試問の例も載せてあります。夏でもあり、口頭試問に必ずしもスーツを来てこなければ いけないというものではありません。人前に出ておかしくない、見苦しくない服装であればよいと 思います(私個人はTシャツ、ジーンズでも気にしません)。
多くの受験生が、口頭試問は緊張するようです(私自身も20年以上前に緊張しました)。口頭試問の 目的は数学の基本的な質問にどう応答するかを見ることですので、筆記試験同様、楽な気持ちに なることが大切です。いくつか事務的な質問もします。これについては合否に全く関係ありませんので 正直に答えてください。誤解があるようですが、数学的な質問以外は合否に影響しません。

情報基礎数学専攻について

情報科学研究科は平成14年度に生れた新しい研究科です。その中で、情報基礎数学専攻は、基礎となる数学的な研究を行っており、理学研究科数学教室とも協力関係にあります。「情報基礎数学」という言葉は新しい言葉ですが、広い意味で「数学」の仲間です。数学には何百年も続いて変わらない部分もあれば、どんどん新しくなっていく部分もあります。変わらない「基礎数学」もあれば、「情報基礎」として新しいものを取り込んでいく数学もあると思います。

私について

私は「完全積分可能系」を中心に研究しています。情報基礎数学専攻には、広い意味で完全積分可能系を研究している人がたくさんおり、専攻の特色となっています。皆それぞれ違う方向を向きながら、微妙に重なり合っています。完全積分可能系というのは「非線型の微分方程式で解が厳密に求まる方程式」という意味合いで用いられることが多いですが、現代では対象が拡散しており、数学的に厳密に定義された言葉と思うよりは、一つの考え方と思ったほうがよいでしょう。1970年代以降、日本人数学者の寄与がたいへん大きく、数学のさまざまな分野と関連しています。

その中で、私は主にパンルヴェ方程式と呼ばれる方程式を研究しています。パンルヴェ方程式は、学部の数学で習った人も多い、超幾何微分方程式やベッセル方程式などをもう少し広げた非線型の微分方程式です。今から100年ほど前に発見された方程式ですが、その性質が詳しく研究されるようになったのは、この30年ほどです。特にこの10年ほどの研究はめざましいものがあります。パンルヴェ方程式も、日本が世界をリードしてきた分野の一つです。

もともと「良い性質を持った」微分方程式の分類ではじまったパンルヴェ方程式の研究ですが、今日では代数幾何学や表現論など、さまざまな道具が必要となり、いろいろな数学と関係があります。また、数理物理、確率論、微分幾何学、整数論などさまざまな方向に応用されつつあります。全部を学ぶことは大変難しいですが、逆に自分の得意とするものがあれば、そこからパンルヴェ方程式の研究に入っていくことができます。パンルヴェ方程式という山は大きくて入り組んでいますが、登り口はたくさんあるのです。

今、私は「モノドロミ可解なパンルヴェ函数」という、従来なかった全く新しい方向の研究を始めています。まだ何が出るかわかりませんし、苦しむことも多い毎日ですが、まだ誰も手をつけてない新しい野原を自分で切り開いていく楽しみがあります。

私を指導教官にしたいと思っている人は、大学で次のようなことを必ず勉強しておいて下さい。

以上のことは、情報基礎数学専攻へ進学する人なら私のところ以外に来る場合でも、もっと言えば数理科学をもっと研究していきたいと思う人なら、勉強しておく必要があるでしょう。具体的にどんな本を読めばいいのか、参考までに書いておきます。

また、知っておくと望ましいことは

もっといろいろなことを勉強しておくと、どこかでつながってきます

専攻案内に掲載した自己紹介に、私と私の学生についてもう少し詳しく書いてありますので、そちらも見てください。


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