談話会


2017/4/24(Mon)

16:30--17:30 E404

塩沢 裕一

大阪大学 理学研究科

対称マルコフ過程の経路解析とディリクレ形式

確率過程とは,空間内での粒子のランダムな運動のモデル化である。 特に,現在の情報が分かっているとき, 過去と未来が独立であるという性質(マルコフ性)を持つ確率過程のことをマルコフ過程という。 この経路の性質を調べることは,ランダムさの積み重ねを解析することに相当し, 確率論における基本的な問題の一つである。

対称マルコフ過程の構成および解析の上で,ディリクレ形式の理論が重要な役割を果たす。 ディリクレ形式はディリクレ積分の公理化に当たり, 緩やかな条件下で対称マルコフ過程を構成できる。 しかし,ディリクレ形式の持つ解析的情報と, 対応する対称マルコフ過程の経路の性質との関係は一般に非自明である。

本講演では,独立同分布な確率変数列に対する大数の法則や ブラウン運動の経路解析から話を起こし, 先に述べた関係について,これまでに知られている結果を紹介する。