幾何セミナー


2017/5/29(Mon)

13:00--14:30 E404

太田 慎一

大阪大学 理学研究科

RCD(K,∞)空間のスペクトル・ギャップと剛性

本講演では,「リッチ曲率が実数K以上の測度距離空間」と見なされるRCD(K,∞)空間(リーマン的曲率次元条件RCD(K,∞)を満たす空間)の,ラプラシアンの第一固有値の下界(スペクトル・ギャップ)及び等号が成り立つときの一種の剛性定理を紹介する.重みつきリーマン多様体では,Cheng-Zhou (2017) により,等号が成り立つ空間は1次元低いリーマン多様体と1次元ガウス空間の直積に等長的になることが知られている.これをRCD(K,∞)空間に拡張するのが主結果であるが,微分構造がないことや有限次元的な評価がないことで議論ははるかに複雑になる.鍵となるのは勾配流とベクトル場の積分曲線の理論である.この講演の内容はN. Gigli (SISSA), C. Ketterer (Freiburg), 桑田和正(東北大)三氏との共同研究による.