微分方程式セミナー


2017/6/16(Fri)

16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)

小池 茂昭

東北大学理学研究科

自由境界問題の処罰法による近似解の収束レートについて

制約条件付きエネルギー最小化問題に現れる変分不等式、最適停止時刻問題に現れる Bellman 方程式は、障害問題と呼ばれる自由境界問題である。また、特異制御問題の典型的な勾配拘束問題も別のタイプの Bellman 方程式であり、自由境界問題である。これらの解や自由境界の正則性は、 1980 年代に盛んに研究されていた。これらの解を数値解析によって視覚化する場合、自由境界がアプリオリに決まらないため、一般には困難である。一つの方法として、これら自由境界問題の近似方程式の解を視覚化するのが標準的であろう。本講演では、いくつかの自由境界問題を表す Bellman-Isaacs 方程式の処罰法(ペナルティー法)による近似解が自由境界問題の解に収束するレートに関する結果を紹介する。L. C. Evans が、 Hamilton-Jacobi 方程式を粘性消滅法で特異摂動した場合の収束のレートを求めた「非線形随伴法」を用いて、更に問題ごとに必要となる評価を得ることで導く。 本研究は、内藤誠、小杉卓裕との共同研究の一部である。