確率論セミナー


2017/11/28(Tue)

16:30--18:00 数学教室 大セミナー室 (E404)

小池 祐太

首都大学東京

Wiener汎関数ベクトルの最大値のGauss型近似とその高頻度データ解析への応用

本報告では, Wiener汎関数からなる(高次元)ベクトルの最大値の分布とGauss型ベクトルの最大値の分布の間のKolmogorov距離を評価する問題を考える. 特に, 最近数理統計学の分野におけるChernozhukov, Chetverikov & Katoによる一連の研究で発展した, 独立な高次元確率ベクトルの列の和の分布をそのGauss型の類似物の分布で近似する理論を, Wiener汎関数からなるベクトルへと拡張することを試みる. 本報告では, Chernozhukov, Chetverikov & Kato (2015, PTRF)の結果のWiener汎関数からなるベクトルへの一般化が可能であることを示す. さらに, 特別な場合として, (同じ次数をもつ)多重Wiener-伊藤積分のベクトルの最大値の分布とGauss型ベクトルの最大値の分布の間のKolmogorov距離が0に近いことを示すには, 共分散行列の成分どうしが近く, かつ前者の各成分の4次キュムラントの最大値が0に近いことを示せば十分であること, すなわちfourth moment phenomenonが起きることを示す. 最後に, 高頻度データ解析への応用例を与える.