微分方程式セミナー


2018/5/18(Fri)

16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)

西谷 達雄

大阪大学 名誉教授

横断的狭義双曲系の初期値問題について

一階の双曲系を考える.主表象の固有値はすべて半単純で重複固有値をもつ点全体(=特性集合)は多様体とする.このとき主表象は特性多様体の各点の余接空間上に双曲系を自然に誘導する(=局所化系). この局所化系が余接空間上で狭義双曲系となるとき,この系を横断的狭義双曲系と呼ぶことにする.初期値問題が適切であるとは,未来が過去から一義的に決まるということであり,各特性点の時間的未来の位置にある点の集合(=伝播錐)が特性多様体とどのような位置関係にあるかが適切性に(深く)関わるであろうことは容易に推察される.実際,伝播錐が特性多様体と "整合的" であれば横断的狭義双曲系は強双曲系であることが示される.他方,両者が "整合的" でなければ適切性に関して複雑な現象が起こる.本講演では主にこの場合について,どのように複雑なことが起こり得るかを 3x3 横断的狭義双曲系の具体例を基に考察する.結果の一部は G.M\'etivier との共同研究に基づく.