幾何セミナー


2018/11/19(Mon)

-- E404

橋本義規

東京工業大学

小林-Hitchin対応における変分的観点とQuot-scheme極限

小林-Hitchin対応とは,Khler多様体上の複素ベクトル束において,微分幾何学的対象であるHermite-Einstein計量の存在と代数幾何学的条件である安定性が同値であることを言う.これはDonaldsonとUhlenbeck-Yauによって証明され,複素幾何学において重要な役割を果たしてきた.一方で,これらの証明は非線形偏微分方程式論を用いた高度に技術的な議論によってなされており,微分幾何的なHermite-Einstein計量と代数幾何的な安定性の直接的な関係を明示的に見ることは容易ではなかった.本講演では,非線形偏微分方程式論に代えて代数幾何学のQuot-schemeを用いることで,変分的な観点から,微分幾何と代数幾何とのより直接的な関係性を明らかにする結果を紹介する.Julien Keller氏との共同研究である.