重積分の変数変換の公式etc.

まず公式を正確に述べる。
TをEからDへの1対1写像とし, (u,v)はE上の点,(x,y)はD上の点で,
x=x(u,v),y=y(u,v)はC2級の関数とする.この時には,

Df(x,y)dxdy =∬Ef(x(u,v),y(u,v))|J|dudv.

ただし, J=xuyv-xvyu, (つまり,”ヤコビアン”の値),|J|はJの絶対値を表す.

●注意として,極座標変換のように厳密には1対1写像でなくても, 上の公式が成り立つ場合もある.
 (その場合は対応が1対1になっていない点については取り扱いに注意する必要あり.)
以下は,大雑把な証明をのせておく.(興味のある方のみお読みください.)

まず不定積分における置換積分の公式→ ∫f(x)dx=∫f(x(t))xtdt がある.

これが定積分だと(x=x(t),a=x(c),b=x(d),P={x|a≦x≦b},Q={t|c≦t≦d} の関係の下で)
P f(x)dx= ∫Q f(x(t))xtdt となる.

[以下,2変数版の話.]話を簡単にするために,
Dを(面積)有限の閉集合, E={(u,v)|a≦u≦b,c≦v≦d}とする.
また,写像T:x=x(u,v),y=y(u,v)をT(1)とT(2)にわけて考える.
つまり写像T(1):s=u,t=y(u,v)と写像T(2):x=x(u,v),y=tを用意する.
この時,次の事柄に注意:●T{u,v}=T(2){T(1){u,v}},
●Tは1対1写像より y=y(u,v)をvについて解いた形 v=z(s,t)も1対1写像.
○さらにx=x(u,v)=x(s,z(s,t))=w(s,t)と書ける.
そこで 写像T(1)はEからFへの1対1写像,T(2)はFからDへの1対1写像とし,
(s,t)はF上の点とする.
(H.P.で図を描く技術を筆者がもっていないのが非常に残念で悔しい.)

以後,yv≠0 J≠0 を仮定する.
T(1)について:まずu(=s)を固定しておくと,次の関係式が出てくる.
Ag(s,t)dt=∫Bg(u,y(u,v))|yv|dv
ただし,A={t|y(u,c)≦t≦y(u,d)},B={v|c≦v≦d}
(なお,絶対値は両辺の符号を合わせる為につけてある.)
両辺をuで積分すると ∬F g(s,t)dtds= ∬E g(u,y(u,v))|yv|dvdu となる.同様に
D h(x,y)dxdy= ∬F h(w(s,t),t)|ws|dsdt もでてくる.

2つの式をうまく組み合わせると
D f(x,y)dxdy= ∬F f(w(s,t),t)|ws|dsdt= ∬E f(x(u,v),y(u,v))|ws||yv|dvdu
である.あとは|ws||yv|を計算するのみ.

ところで xu=ws+wtyu, xv=wtyv,の2式があるので
|ws||yv|=|wsyv|= |(xu-wtyu)yv|= |xuyv-(wtyv)yu| =|xuyv-xvyu|=|J|
(大雑把な)証明おしまい.
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Last Update: 2006.11.29.
竹島 正樹(Masaki Takeshima)

E-mail: takesima@math.sci.osaka-u.ac.jp