高校生のための公開講座 現代数学への冒険

数学月間連携行事


大阪大学理学部数学教室では、数学に興味を持つ若い皆さんのために、現代数学の様相と数学研究の実際、自然科学や社会科学に及ぼす数学の影響、文化としての数学の在り方などについて、多角的な視点から易しく解説する公開講座を以下の要領で開催します。受講料は無料です。

平成22年度の詳細

日程:平成22年8月19日(木)
時間:午前10時〜11時50分
会場:大阪大学豊中キャンパス 理学部F棟102
対象:主として高校生(引率の先生も含む)
講師:有木進(情報基礎数学専攻 教授)

テーマ::行列の話
概要:高校で行列を習います。それは現代科学にとって不可欠の言語だからですが、 この講義では行列が活躍する様子を少しだけ覗いてみます。

工学の発展のおかげで現代の私たちの生活はとても便利で快適です。種々の工業製品 を生み出すには設計という行為が不可欠ですが、そのおおもとには制御系設計の理論 があります。講義前半ではそのほんのさわりを紹介し行列の使われ方を実感してもら います。とくに可制御性・可観測性という概念が基礎的で重要ですが、これらの概念 の意味を直感的に説明しつつ数学的な定義を与えます。

他方、素粒子論の発展をひとつのきっかけとして数学でも表現論という分野が独自の 高度な発展を遂げています。表現論も行列が活躍する分野です。90年代に入り有向 グラフの枠付き表現の研究がさかんになり、中島啓氏(現京都大学数理解析研究所教 授)をはじめとして数学と物理にまたがるいくつかの分野に大きな影響を与えまし た。表現論にも大きなインパクトを与えたのですがそれはさておき、講義後半ではこ の枠付き表現の理論が可制御性・可観測性の概念を自然に一般化していることを説明 しようと思います。具体的には、まず有向グラフの枠付き表現とは何かを説明し、可 制御性・可観測性がJordan有向グラフの枠付き表現の安定条件という概念に他ならな いことを紹介します。





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