スタッフ

藤原 彰夫 (Akio FUJIWARA)

Email fujiwara(@math.sci.osaka-u.ac.jp をつけてください)
研究分野
Research
数理工学
Mathematical engineering
キーワード
Keywords
非可換統計学、情報幾何学、量子情報理論、計算論的ランダムネス
Noncommutative statistics, information geometry, quantum information theory, algorithmic randomness
居室
Office
理学部 B548(豊中キャンパス)
Science building B-548 (Toyonaka campus)
URL http://www.math.sci.osaka-u.ac.jp/~fujiwara/

普段、我々は「情報」という言葉を何気なく口にしますが、「情報とは結局のところ何なのだろうか?」という疑問にふと思いを巡らすと、そこには途方もなく深い闇がたゆたうように横たわっていることに気づきます。この根源的問いかけに答えることなど望むべくもないのかもしれませんが、それでも少しでも前に進むべく、私は非可換統計学、情報幾何学、量子情報理論、計算理論などの様々な切り口から情報の本質に迫ろうと挑戦しています。

量子力学は古典的な確率論の非可換化と見なすこともできますが、同様に、古典的な確率論に立脚した統計学を非可換な量子力学の世界に拡張したものが『非可換統計学』と呼ばれる分野です。いわゆるハイゼンベルクの不確定性関係は、こうした研究の初期の姿と見ることもできるでしょう。物理量の同時非可測性に起因する数学的難しさが、逆にこの分野の魅力ともなっています。 ところで、確率論というと、多くの人は解析学を連想するのではないでしょうか。しかし、確率分布全体からなる空間を考え、そこに多様体構造を導入して幾何学の観点から研究することも可能なのです。これが『情報幾何学』と呼ばれる分野で、ここではリーマン計量に関して互いに双対な2つのアファイン接続を同時に考える視点が中心的役割を果たします。私は、こうした幾何構造を、量子状態のなす空間に拡張したいと思って研究を続けています。もちろん、ただ形式的に非可換な世界に拡張するだけなら難しくないかもしれません。でも私が目標としているのは、非可換統計学や量子情報理論において操作的な意味を持つ量子情報幾何構造を明らかにすることなのです。とはいえ、言うは易く行うは難しで、なかなか一筋縄では研究が進まず苦労しています(だからこそ面白い!)。 さらに最近は(まだ研究に着手したばかりではありますが)計算論的もしくはゲーム論的にランダムなデータ系列のなす空間の幾何構造に興味があります。いつの日か、ランダムネス理論と情報幾何学を融合させた新たな武器(もしくは世界観)を創り上げ、これを用いて熱・統計力学を捉え直してみたい、これが私の夢です。