スタッフ

岩井 雅崇 (Masataka IWAI)

Email masataka(@math.sci.osaka-u.ac.jp をつけてください)
研究分野
Research
複素幾何学、代数幾何学
Complex geometry, Algebraic geometry
キーワード
Keywords
接ベクトル束、余接ベクトル束、葉層構造、特異エルミート計量、第2チャーン類、構造定理
Tangent bundle, Cotangent bundle, Foliation, Singular Hermitian metric, Second Chern class, Structure theorem
URL https://masataka123.github.io/blog3/

射影多様体(複素射影空間の部分多様体)について、複素幾何学や代数幾何学、多変数複素解析などあらゆる手法を用いて研究しております。より具体的には「射影多様体はリッチ曲率正・0・負の3つタイプの多様体に分解される」という射影多様体の分類に関する予想を、接ベクトル束や余接ベクトル束、第2チャーン類の視点から研究を行なっております。

初期の研究において「接ベクトル束が0以上の(特異な)曲率を持つ射影多様体は、リッチ曲率正の多様体とトーラス(リッチ曲率0)に分解される」という構造定理を確立しました。この定理には多変数複素解析由来の滑らかとは限らない計量(特異エルミート計量)の手法を用います。またこの研究は複素幾何学的な葉層構造に拡張することができました。

葉層構造を用いることで「余接ベクトル束が0以上の曲率を持つ射影多様体は、リッチ曲率負の多様体とトーラスに分解される」ことを、第2チャーン類が消えている状況下で示しました。この構造定理を示す際に、代数幾何学の予想であるアバンダンス予想を第2チャーン類が消えている状況下で示しました。現在は第2チャーン類と射影多様体の構造の関係を調べております。