スタッフ

小川 裕之 (Hiroyuki OGAWA)

Email ogawa(@math.sci.osaka-u.ac.jp をつけてください)
研究分野
Research
代数的整数論
Algebraic number theory
キーワード
Keywords
ガロア群、代数曲線、連分数展開、周期点、反復作用
Galois groups, algebraic curves, continued fraction expansion, periodic points, iterative action
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少し前にふと気がついたのですが、私はどうも、同じことを繰り返してもとに戻ってくる現象、周期的をもった物に興味を惹かれるようです。分数の小数展開は、途中から同じ数字の並びが繰り返されるのですが、実際に計算してみるととても面白い。いつまで計算してても飽きることがありません。連分数展開も大好きです。連分数というのは、分数の分母に分数が入れ子になって分数のことで、少し見にくいですが、
√2=1+1/(1+√2)=1+1/(2+1/(1+√2)) =1+1/(2+1/(2+1/(1+√2)))=1+1/(2+1/(2+1/(2+1/(2+1/(2+1/…)…)
と入れ子型の分数に書くことを言います。最後の式は、分母が 1/(2+1/(2+1/(2+ と同じ形が繰り返されます。小数展開のときも連分数展開のときも、繰り返し部分の長さのできるだけ長いものを見つけたい。数のパズルのように見えますが、整数論のとても難しい予想(原始根予想、Gaussの類数1予想)に大いに関係のあることなのです。最近はとくに、関数を繰り返し作用させることを調べています。g(x) を有理数係数の1変数有理関数とします。g(…g(α)…)=α となる複素数αは代数的数になります。有理数体にαを添加した体について、次数、ガロア群、類数などともかくいろいろ計算し、もとの関数 g(x) を使って調べたい。こんなことはいつでもうまくいくはずは無いのですが、そういうことのよくわかる関数 g(x) をたくさん見つけたい。これはきっと何かの役に立つにちがいない。と思って、毎日こんなことをやっています。