公開講座

開催案内

大阪大学理学部数学教室では、数学に興味を持つ若い皆さんのために、現代数学の様相と数学研究の実際、自然科学や社会科学に及ぼす数学の影響、文化としての数学の在り方などについて、多角的な視点から易しく解説する公開講座を以下の要領で開催します。受講料は無料で、事前申し込みも不要です。

2019年度の詳細

日程: 2019年8月8日(木)
時間: 14:00~16:00(入場開始 13:30)
会場: 大阪大学豊中キャンパス 理学研究科 E棟 E404 大セミナー室
(満席の場合、サテライト会場 E301 にご案内します。)
対象: 高校生・一般
講師: 塩沢 裕一(理学研究科数学専攻 准教授)
テーマ: 分枝過程の絶滅問題
概要: 分枝過程とは、単細胞生物のような個体の集まりが、分裂や消滅を伴いながら時間発展する様子を記述した確率モデルのことです。分枝過程の絶滅問題とは「個体群がいつかすべて消滅するか否かを明らかにせよ」というものです。この問題の起源は、Francis Galtonが1873年に提示した「貴族の姓の消滅問題」です。Galtonが提示した問題に対して、同年に the Reverend Henry William Watsonが解答を発表しました。このことにちなみ、分枝過程は Galton-Watson過程とも呼ばれています。

本講座では分枝過程の絶滅問題を紹介し、その答えを解説します。また、この問題に関する歴史的経緯について説明するとともに、理解を深めるために具体的な計算例も与えます。なお、分枝過程の絶滅問題の答えの中に「臨界性定理」と呼ぶべきものが現れます。このことはパラメータに応じて状況が劇的に変化することを表すものであり、現代数学でも様々な形で現れます。